正木ゆう子さんの句がおもしろい

正木ゆう子さんは好きな俳人のひとりです。なんとも言えない独特の世界があります。句集『正木ゆう子集 (セレクション俳人)』から好きな句を10句選んでみました。

  1.  水の地球少し離れて春の月
  2. 林檎投ぐ男の中の少年に
  3. 「The Long and Winding Road」渋滞に時雨くる
  4. 地下鉄にかすかな峠ありて夏至
  5. レコードのはじめがさごそ星祭
  6.  母の日に母にだらだらしてもらふ
  7. 満月がひとりにひとつ海の上
  8. 着膨れてなんだかめんどりの気分
  9. 兄からの電話数分梅の花
  10.  魔がさして糸瓜となりぬどうもどうも

1の句は、理論的に考えたらとってもおかしなことを言ってますよね。地球と月を宇宙的な観点で見ているわけだから、「春の月」という表現は本当はナンセンスなんだけど、逆にそこがとっても詩的であり、そこはかとない不思議な世界が漂っていると思います。正木ゆう子さんの句の中でいちばん好きな句です。

2の句はとってもロマンチックですよね。映画の1シーンのような句です。3の「The Long and Winding Road」はビートルズの曲のタイトルです。初めてこの句を読んだときは、俳句ってこんなこともしてもいいのかと衝撃を受けました。とにかくかっこいいです。

4の句。地下を走る地下鉄の路線にもわずかな起伏があるという事実は、言われてみれば確かにそうだなと思います。でも、こういうところに目を付けて、それをおもしろがるのが俳人なんですよね。そして、その地下鉄の峠と取り合わせたのが「夏至」。夏至もある意味1年の峠だと言えます。日常のどういうところに目を付けて、それをどう表現するか。こんな発想は自分にはなかなかできそうにありません。

5の句。「レコードのはじめがそごそ」は、本当に言い得て妙ですよね。針を落としてしばらく「がさごそ」としたあと曲が始まる。その一瞬が絶妙に切り取られていると思います。これに取り合わせたのが「星祭」(七夕の傍題)。これも絶妙ですよね。

9の句は、ぼんやりした何気ない句なのですが、私はこういうぼんやりした感じの句好きです。そして、10の句は、池田澄子さんっぽい感じの句なのですが、こういうちょっとほんわかとした句もいいなと思います。

正木ゆう子集 (セレクション俳人)』にはこれ以外にも個性的な句が満載です。おすすめの句集です。

正木ゆう子集 (セレクション俳人)
正木 ゆう子

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